事業承継の特例新法

事業承継準備リスト


中小企業の承継を少しでも円滑に出来るように新法が創設されました。
『中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律』 (H20.5.9 成立)

次の3つの支援

 (1) 相続税の支援 《自社株に係る相続税の納税猶予制度》 ⇒詳細

自社株の担保提供や下記などの一定要件のもと、相続や精算課税贈与により取得した自社株に係る相続税の80%が納税猶予される制度が創設予定。(H20.10.1〜の相続分から適用)



 (2) 続防止の支援 《民法特例を使った企業オーナーの遺産分割対策》 ⇒詳細

今までは旧代表者が後継者に対して自社株の生前贈与をしていても遺留分請求権(法定相続分の1/2) が原因で、後日に遺産分割でもめるケースが多かった。そこで一定の手続きや後継者の保有議決権50%超の要件もと、自社株に対する遺留分請求権を下記について(1)又は(2)の特例が創設されました。(H20.10.1〜1年以内に施行)

(1) 生前贈与の株式を遺留分の対象から除外できるようにする
⇒贈与株式が遺留分減殺請求の対象外となるため、相続に伴う株式分散を未然に防止
または
(2) 生前贈与の株式についての遺留分計算の対象とする評価額を予め固定できるようにする
⇒贈与後の後継者の貢献による株式評価の増加分が遺留分減殺請求の対象外となるため、発展意欲が阻害されない。



 (3) 資金面の支援 〈新制度融資などの創設〉

旧社長死亡後に生じる資金ニーズに対して融資制度を創設。
■ 会社による自社株式等の取得資金の融資制度の創設(日本政策金融公庫)
 ・事業承継を行う為に必要な資金 (〜7.2億、〜15年以内)
  【例1】 法人が後継者から自社株や事業用資産を取得する資金
  【例2】 法人が非後継者から自社株や事業用資産を取得する資金
■ 後継者個人による経営権安定化の為の制度融資創設(日本政策金融公庫)
 ・事業承継を行う為に必要な資金  (〜7.2億、〜15年以内)
  【例】 後継者自身が非後継者や事業用財産を取得する資金


3つの制度を全て活用する場合の使い方例

<生前中>

新社長の保有議決権が50%超になるまで精算課税贈与などにより自社株や事業用 不動産などを取得。
  ↓

他の相続人全員から遺留分等についての『同意の書面』を貰い、その書面を1ヶ月以内に各地の経済産業局(全国9ヶ所)へ提出・確認を受けた後、更に1ヶ月以内に家庭裁判所に書面申請を経て内容についての許可を貰う。
  ↓

現社長の残りの議決権株式や事業用不動産・動産等について、遺言執行者の指定付の公正証書遺言を作成する。
  ↓

<相続後>

相続発生後に相続や精算課税贈与などにより取得した自社株の内、一定部分までに係る相続税の80%を納税猶予。
  ↓

新たに創設された制度融資を受けて、法人が他の相続人などから自社株や新社長相続の事業用不動産などを取得等。



事業承継の為の事前準備とチェックポイント(概要)

 ・ 後継者や他の相続人の意識のリサーチ
 ・ 現状株主の持株割合を把握(生前贈与成立のチェックも重要)
 ・ 現状株価の概算と今後の見込み予測(新営業権評価に要注意)
 ・ 遺言の検討と事業不可欠財産のチェック(担保不動産も)
 ・ 土地や建物を旧社長から借りている場合は契約書のチェックと整備
   ⇒法人対策の軌道修正
 ・ 役員退職金規程の検討 ⇒生前対策メニュー
 ・ 後継者以外の株主へ株式を分散してしまっている場合は買集め等の検討
   ⇒法人対策の軌道修正
 ・ 持株会社や合併・分割などを検討中であればその有利不利の検証
 ・ 定款の変更を検討
   (自己株取得・売渡請求・株券発行・総会召集手続き・無議決権株発行 など)
    ⇒生前対策メニュー
 ・ 従業員を5年間に亘り、8割以上を雇用継続可能か否かの検証
   (必要により転籍等も検証)                     他