民法特例を使ったオーナー企業の遺産分割対策(H20.10〜相続分 から)

事業承継準備リスト
従来

■遺言が無く遺産分割協議も不成立になった場合

不動産 相続人による共有状態 ⇒ 担保差入や処分・活用時等に不具合
自社株式 相続人による準共有状態
     ⇒ 取締役在任や株主議決権行使時等に不具合
預 金 相続分の割合による当然分割
     ⇒ 但、出金には遺言が無い限り全員の実印が必要

公正証書又は検認自筆遺言に限り実務上有効


■自社株等を生前贈与していても…




贈与不成立・贈与否認のリスク
単期間で単純贈与すれば贈与税負担大
精算課税贈与・単純贈与共、遺産分割上は「特別受益」として相続時価額に再計算し、遺産の先渡し扱いに

後継者以外の相続人に預金や不動産を贈与していても受贈者が自発的に家庭裁判所で「遺留分放棄申述」手続きをとらないと安心できない。又、この手続きをしていても遺言が無いと遺産分割協議書への署名・実印必要

贈与だけでは問題を残していた。

■自社株等を生前売却しようとしても…



譲渡対価や譲渡税の問題が
売却代金の行方や分割方法を巡って結局は相続紛争に
自社や後継者、資産管理会社が買取る場合も苦労(借入をしても返済源資に無理が生じる)

売却だけでは無理が生じていた。

■遺言があっても遺留分の請求は可能
遺留分請求可能額=(遺産額+全特別受益の時価)×法定相続分の1/2−受遺分及単独特別受益時価

特例

■条件と内容

(1)条件 

自社株を先代経営者から相続人である後継者宛に贈与などを行う際に下記の条件を満たせば今まで無効同然だった合意が法的に有効になる

旧代表者の相続人全員から下記内容について書面で合意を得られること
後継者が“買取や出資、他の相続人からの相続等”により事前に50%超の議決権を有していないこと
(1)後継者が合意対象の株式の処分をした場合
又は、
(2)旧代表者生存中に後継者が代表者として経営に従事しなくなった場合
等には、非後継者が合意を解除 や 株式処分価額の一部を請求できる様な措置を定める事も可

(2)内容

イ.

旧代表者から贈与を受けた株式が遺留分算定の際の財産価額から除外する事を合意(除外合意)

or/and

ロ.

遺留分算定の際の贈与株式の評価を合意時の価額注で固定するとの合意(固定合意)

option

ハ.

事業遂行に必要な不動産や現預金等の生前受贈についても遺留分算定の際の財産から除外する合意も可能
但、株式以外の財産に関する合意を得る場合は、他の相続人も相対条件として他の相続人が生前受贈する財産について遺留分算定価額に含めない旨を盛込むことも可能

(注)弁護士や公認会計士、税理士又は税理士法人等による合意時点適正価額証明が必要

特例中小企業者

一定期間以上(概ね3年)継続して事業を行っている法人(医療法人は対象外)







合意の効力消滅等
  イ.経済産業大臣の確認取り消し
  ロ.後継前の死亡
  ハ.新たな相続人後継者の出現などにより、合意取消や変更も可能