被相続人が個人事業者だった場合の相続手続きの注意点

個人事業者の場合の手続手順

ここでは、被相続人が個人事業者だった場合の手続きについて説明します。

被相続人が確定申告義務者である場合、死亡した年の1月1日から死亡日までの所得について、死亡後4か月以内に確定申告をする必要があります。

確定申告以外の手続については、被相続人が不動産以外の一般事業主だった場合の手続きは大幅に増え、できるだけ速やかな手続が必要です。
具体的には、被相続人の事業の承継者について、相続人全員で協議をして、事業上の財産債務の承継者を決めて債務支払いの履行もしなければなりません。

個人事業主が死亡した場合、たとえばタバコ屋さんを営んでいたとすれば、わずかタバコ1箱でも遺産分割確定までは相続人全員の共有遺産となります。
被相続人が死亡した翌日から、たとえ1箱のタバコでも勝手に売ることができなくなるのです。

従業員を雇っていた場合は、従業員の給料が滞らないように支払い義務者、つまり事業承継者を早急に決めて、従業員に給料を支払う体制を整えなくてはなりません。

取引先に対して商品を掛け売りしている場合には、その売掛金の回収を、掛け買いをしている場合には買掛金の債務の履行を、それぞれ事業承継者がしなければなりません。

また、小切手を切っている場合はさらに要注意です。
被相続人の口座は、死亡と同時に凍結されるので、小切手の引き落としができなくなり、取引先の信用を失います。

こうした一連の事態を回避するため、相続の申告期限に合わせてのんびりするのではなく、できるだけ速やかに相続手続をしていきたいところです。

青色申告の場合は要注意

確定申告関連手続は、具体的には次の通りです。
まずは消費税の死亡届出、相続人の消費税・課税事業者の届出をします。

そして、原則1か月以内に、被相続人の所得税の廃業届出、相続人の所得税の開業届出が必要です。

さらに重要なのは、4か月以内にしなければならない手続です。

被相続人の所得税・消費税の準確定申告・納税を行いますが、これは相続人全員が連帯責任を負うので、全員の署名と認印の押印が必要です。

併せて、事業承継者が決まっている場合は、相続人自身による所得税の青色申告承認申請届出が必要になります。

相続人が確定申告上で青色申告を適用する場合に限って、要注意事項がひとつあります。
それは、事業後継者である相続人の同居家族を事業専従者とする場合です。

給料を払う予定の事業専従者がいる場合は、この青色申告承認申請届出と併せて青色事業専従者の届出も必要です。

そうしないと、たとえ給料を払っても事業上の経費として認められなくなってしまいます。

青色申告承認申請の期限は、4か月以内ではないケースがあります。
相続発生日によって申請期限が変わりますので、ご注意ください。

また、被相続人が白色申告だった場合は、4か月ではなく相続発生日から2か月以内に青色申告承認申請届出をしなければなりません。

そうしないと、相続発生日後の所得について、相続人が青色申告を選択できなくなってしまいます。

相続発生の年末までの間に、相続人が消費税について簡易課税制度の選択の届出をしようとするのであれば、相続発生の年末までに簡易課税制度の選択届出をしなければなりません。

不動産賃貸業を行っている場合は、簡易課税制度を選択した方が得です。
今後は消費税の税率がさらにアップしていきますので、それ以外の事業も簡易課税制度を選択した方が節税につながる可能性が高まります。

ロスなく届出を行ったほうがよいでしょう。

相続人に消費税がかかるかどうかは、相続人になってからの所得だけではなく、被相続人の所得の両方を考慮したうえで、判定されるのです。

つまり、被相続人と相続人の基準期間の両方の課税売上高によって判定されるので、今までは消費税がかかってなかった人も相続を機にかかるようになることもあります。

なお、被相続人の死亡年の翌年の3月15日までに、相続人は相続の翌日の分からこの年の年末までの所得について、所得税の確定申告の義務が生じます。

消費税については、3月31日が期限なので覚えておきましょう。
相続人が滅価償却資産について償却方法を選択する場合は、その提出期限も同様です。

要するに、個人事業主や不動産賃貸事業者が、死亡した場合は、すぐにしなければならない手続がたくさんあるということです。

相続税申告期限だけに気を取られず、個人事業承継者は損をしないよう特に注意しましょう。

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