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贈与税の税率は何パーセント?一般税率・特例税率の違いと計算方法をご紹介

生前贈与を検討している方の中には、「贈与税の税率は何パーセント?」「どれくらい税金がかかるの?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
贈与税は、贈与額に応じて税率が高くなる累進課税制度が採用されており、贈与する相手によって「一般税率」と「特例税率」のいずれかが適用されます。
贈与を検討する際は、税率表の見方や計算方法を正しく理解しておくことが大切です。

また、贈与税は税率だけで判断するのではなく、相続税との関係や生前贈与の目的を踏まえて検討することで、将来の税負担を軽減できる可能性があります。
この記事では、贈与税の税率表や計算方法、一般税率と特例税率の違いをわかりやすく解説するとともに、贈与税の負担を軽減する制度や、相続対策として贈与を行う際の注意点についても詳しくご紹介します。

贈与税の税率は10%〜55% まずは基本的な仕組みを確認しましょう

贈与税の税率は10%〜55% まずは基本的な仕組みを確認しましょう

贈与税は、個人から財産を無償で受け取ったときに、受け取った側が納税する税金です。
贈与税の対象となる財産は、現金以外にも不動産や株式などが含まれます。
まずは、贈与税の基本的な仕組みをチェックしましょう。

贈与税は1年間に受けた贈与額をもとに計算します

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額をもとに計算します。
その1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除110万円を差し引いた残額に対し、税率をかけて税額を算出する仕組みです。

贈与額が大きくなるほど税率が高くなる仕組みです

贈与税の税率は、金額が上がるにつれて税率が上がる累進課税です。
2026年(令和8年)7月時点の贈与税率は、10%~55%となっています。

また、贈与税には「一般税率」と「特例税率」の2種類があります。
一般税率か特例税率かは「誰から誰へ贈与されたか」と「受贈者の年齢」で決まるものです。
一般税率・特例税率については、次項で詳しく解説します。

贈与税の税率表 一般税率と特例税率の違いも併せてご紹介

贈与税の税率表 一般税率と特例税率の違いも併せてご紹介

贈与税の税率は、一般税率と特例税率の2種類に分けられます。
税率は、一般税率よりも特例税率のほうが低く設定されているのが特徴です。
特に贈与税の課税対象額が300万円を超えると、一般税率よりも税負担が軽くなるよう税率や控除額が設定されています。

一般税率が適用されるケース

一般税率は、特例税率に該当しないすべてのケースを指します。
夫婦間、兄弟間、他人からの贈与、直系尊属から未成年者への贈与などが一般贈与財産となり、一般税率の対象です。

一般税率が適用される場合は、下記の速算表に従って贈与税を計算します。

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%なし
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

特例税率が適用されるケース

父母や祖父母などの直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の子どもや孫へ贈与する場合は、特例贈与財産となり、特例税率が適用されます。
特例贈与財産は、父から子、祖父から孫などが対象であり、夫の父からの贈与には適用できません。

特例税率が適用される場合は、下記の速算表に従って贈与税を計算します。

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%なし
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

贈与税の計算方法 税率表を使った具体的なケーススタディで解説

贈与税の計算方法 税率表を使った具体的なケーススタディで解説

贈与税は、年間の贈与額から基礎控除額110万円を差し引いた課税価格をもとに、税率表に当てはめて税額を計算します。
具体的なケースを用いながら、贈与税の計算方法を確認しましょう。

贈与税の基本的な計算式

贈与税の基本的な計算式は以下の通りです。

(年間の贈与額-基礎控除110万円)×税率-控除額=贈与税額

1年間に受け取った金額の合計から、基礎控除額である110万円を差し引き、残った金額(課税価格)を税率表に当てはめ、該当する税率と控除額を適用することで、最終的な贈与税額が算出されます。

500万円を贈与した場合の計算例

500万円を贈与した場合の計算例を見ていきましょう。

特例税率(65歳の父から35歳の子へ500万円を贈与した場合)

このケースでは特例税率が適用されるため、特例税率の速算表を用いながら、以下の計算方法で贈与税を算出します。

(500万円-110万円)×15%-10万円=48.5万円

一般税率(50歳の父から15歳の子へ500万円を贈与した場合)

このケースでは一般税率が適用されるため、一般税率の速算表を用いながら、以下の計算方法で贈与税を算出します。

(500万円-110万円)×20%-25万円=53万円

贈与税の計算方法については、以下のリンク先の記事でも詳しく解説しています。

関連 詳細ページ
贈与税の計算方法を解説

贈与税の税率が高いといわれる理由

贈与税の税率が高いといわれる理由

贈与税は税率が高いというイメージを持っている方は少なくありません。
実際に、相続税と比較すると税率が高く設定されているケースもあり、多額の財産を一度に贈与すると大きな税負担が生じることがあります。

贈与税は相続税を補完する役割があります

贈与税には、生前贈与による相続税逃れを防ぐ目的があります。
相続が発生する前に、生前贈与によってすべての財産を少しずつ移せば、相続税を負担を大きく軽減できる可能性もあるでしょう。
相続税を補完するために、贈与税は高く設定されています。

一度に多額の贈与をすると税負担が大きくなります

贈与税は累進課税制度を採用しており、贈与額が大きくなるほど適用される税率が高くなります。
例えば、数千万円規模の財産を一度に贈与すると、高い税率が適用され、税負担も大きくなるため注意が必要です。

そのため、一括でまとめて贈与するよりも、長期間にわたって計画的に贈与したほうが、結果として税負担を抑えられる場合もあります。

相続税対策として贈与する場合は金額設定が重要です

生前贈与は相続税対策として有効な方法のひとつですが、贈与する金額を適切に設定することが重要です。
例えば、毎年基礎控除額の範囲内で計画的に贈与を行えば、贈与税が発生しないケースがあります。
一方で、一度に多額の財産を贈与すると、贈与税の負担が大きくなり、期待した節税効果が得られないこともあるでしょう。

また、近年は生前贈与に関する制度改正も行われており、相続開始前の一定期間内に行われた贈与は相続財産へ加算される場合があります。
「とりあえず贈与しておけば節税になる」と考えるのではなく、相続税とのバランスを考慮しながら贈与計画を立てることが大切です。

関連 詳細ページ
相続税と贈与税の比較検討(贈与税額表を使って相続と贈与の有利比較)どっちが得?

贈与税の税率だけで判断してはいけない理由

贈与税の税率だけで判断してはいけない理由

贈与税は、確かに税率が高く設定されています。
しかし、税率だけで「贈与は損」と判断することはおすすめしません。
相続税との関係や生前贈与の目的、税制上のルールなどを総合的に考えることが重要です。

贈与税と相続税を合わせて比較する必要があります

節税を考える場合は、贈与税だけでなく相続税も含めたトータルの税負担を比較することが大切です。
例えば、贈与税が発生したとしても、生前に財産を移転することで将来の相続財産を減らすことができれば、結果として相続税の負担を軽減できるケースもあります。
一方で、財産が少ない場合は相続税が発生しなくなるため、無理に贈与を行う必要がないこともあります。

どちらが得になるかは、ケースバイケースなので注意しましょう。
「贈与税率が高いから贈与しない」「贈与税がかからないから贈与する」といった単純な判断ではなく、将来の相続税まで見据えたシミュレーションを行うことが重要です。

相続開始前の贈与は相続財産に加算される場合があります

相続開始前に贈与を行った場合には、生前贈与加算にも注意しましょう。
生前贈与加算とは、すでに贈与税を払っていたとしても、被相続人の死亡日前7年以内(段階的に3年から延長)に行われた贈与財産は相続財産に足し戻されて、相続税が課税される制度です。

このように、亡くなる直前に多額の贈与を行っても、期待した節税効果が得られない可能性があります。

なお、すでに贈与税を納税している場合は、支払った分を相続税から差し引くことが可能です。

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生前贈与が3年から7年へ延長

贈与税の負担を軽減するために知っておきたい制度

贈与税の負担を軽減するために知っておきたい制度

贈与税には、税負担を軽減できるさまざまな制度が設けられています。
制度を正しく活用することで、将来の相続税対策につながる可能性もあるでしょう。

ただし、それぞれ適用要件や注意点が異なるため、自身の状況に合った制度を選択することが重要です。
具体的な対策や手続きについては、専門家に相談することをおすすめします。

贈与税の節税対策として使える制度

制度名内容
暦年贈与原則として誰でも、年間110万円まで非課税で贈与できる。
相続時精算課税制度一定額まで贈与税を抑えながら財産を生前に移転し、その財産を相続時に相続税として精算する。
住宅取得等資金の贈与に関する非課税制度住宅の購入や新築などのために受けた贈与について、一定額まで贈与税が非課税となる。

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年間110万円の基礎控除を活用する暦年贈与

暦年贈与とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与額をもとに贈与税を計算する制度です。
この制度では、年間110万円の基礎控除が設けられており、1年間に受けた贈与額の合計が110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。
したがって、毎年計画的に財産を贈与することで、将来の相続財産を少しずつ減らし、相続税対策として活用することもできます。

例えば、父から子へ毎年100万円ずつ贈与した場合、基礎控除額の範囲内であるため、原則として贈与税はかかりません。
しかし、「毎年100万円を10年間贈与する」といったように、あらかじめ総額や贈与期間を決めている場合は、定期贈与と判断される可能性があります。
定期贈与と認定されると、契約時点で総額を一括して贈与したものとして課税されるケースもあるため注意が必要です。

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相続税対策に活かす暦年贈与 110万円の基礎控除と実務上の注意点

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、原則として60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫へ贈与する場合に選択できる制度です。
相続時精算課税制度では、年間110万円の基礎控除額に加え、累計2,500万円まで特別控除が適用され、贈与時には原則として贈与税がかかりません。
なお、累計2,500万円を超えた部分については、一律20%の贈与税が課されます。

ただし、この特別控除を利用した財産は、贈与した時点の価額で相続財産へ加算され、相続税を計算することになるため、注意が必要です。
また、一度相続時精算課税制度を選択すると、その贈与者からの贈与については、暦年課税に戻すことができません。

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住宅取得等資金の贈与に関する非課税制度

住宅取得等資金の贈与に関する非課税制度とは、直系尊属から住宅取得等にかかる資金を贈与された場合、最大1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です。
制度を利用するには、受贈者が贈与を受ける年の1月1日時点で18歳以上であること、過去にこの特例を受けたことがないことなどのいくつかの要件があります。
対象となる住宅にかかる細かい条件もあるため、制度の利用を検討している場合は事前に適用要件などをチェックしておきましょう。

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住宅取得資金の贈与とは?非課税制度・税金・手続きをわかりやすく解決

相続対策として贈与を行う場合の注意点

相続対策として贈与を行う場合の注意点

生前贈与は、相続税対策として有効な方法のひとつですが、贈与をすれば必ず節税になるわけではありません。
贈与する金額や時期、相手によっては期待した効果が得られないケースもあるので注意しましょう。

相続税の試算をしたうえで贈与額を決めることが大切です

生前贈与を行う前に、現在の財産額や将来の相続税額を試算しておくことが重要です。
相続税が発生しない場合は、無理に贈与を行う必要がないケースもあります。
一方で、相続税の負担が大きく見込まれる場合は、計画的な生前贈与によって相続財産を減らし、税負担を軽減できる可能性もあるでしょう。
暦年贈与や相続時精算課税制度など、それぞれの制度の特徴を踏まえて贈与の方法を決めることが大切です。

贈与する相手や時期によって税務上の扱いが変わります

贈与税の計算方法や適用できる制度は、誰に、いつ贈与するかによって異なります。
また、相続開始前の一定期間内に相続人などへ行われた贈与は、相続税の計算上、相続財産へ加算される場合があるのも注意点のひとつです。

さらに、住宅取得等資金の贈与や教育資金の一括贈与など、一定の要件を満たすことで利用できる特例制度もありますが、それぞれ適用期限や要件が定められています。
制度を正しく活用するためにも、贈与する相手やタイミングを踏まえたうえで、最適な方法を選択するようにしましょう。

特定の相続人への贈与は遺産分割に影響する場合があります

生前贈与は、税金面だけでなく相続人同士の公平性にも配慮する必要があります。
相続人のうち一人だけが多額の生前贈与を受けていた場合、相続開始後の遺産分割において不公平感が生じ、相続トラブルにつながることもあるでしょう。

生前贈与の内容によっては、民法上の特別受益として扱われ、遺産分割の際に考慮されるケースもあります。
相続人全員が納得できる形で財産を相続するためにも、贈与の目的や内容を家族で共有しておくことが大切です。

関連 詳細ページ
生前贈与(特別受益)がある場合の遺産分割

贈与税の税率や贈与方法で迷ったら、相続税まで含めて専門家にお任せください

贈与税の税率で迷ったら、相続税まで含めて専門家にお任せください

贈与税は、税率だけを見て判断すると、かえって税負担が生じてしまうことがあります。
また、生前贈与は相続税対策として有効な場合もありますが、贈与する金額や時期、制度の選択を誤ると、期待した節税効果が得られないケースも少なくありません。

暦年贈与と相続時精算課税制度のどちらを選ぶべきか、相続開始前の贈与が相続税にどのような影響を与えるかなどは、ご家族の財産状況や相続人の構成によって異なります。
そのため、贈与税だけでなく、将来の相続税まで見据えたシミュレーションを行うことが重要です。

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寺西 雅行

この記事を監修した専門家

寺西 雅行

税理士法人プラス 代表税理士
(株)相続ステーション 代表取締役
行政書士法人サポートプラス 代表行政書士

1962年生 同志社大学卒業。学生時代から25才までの間の3度の相続で自身が相続納税や借地人・借家人・農地小作人との折衝に苦労した経験から、不動産に詳しい相続専門税理士の必要性を痛感。
税理士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、ライフコンサルタント(生命保険)、証券外務員資格、M&Aスペシャリストの8種類の資格を有する相続・遺言・後見・不動産など財産に関する総合エキスパートとなる。
弁護士・会計士・税理士からの業務依頼や銀行からの相談、TVメディアからの解説依頼多数。

著書『相続専門の税理士だから言えるリスク回避の処方箋』
『相続トラブルSOS~専門の税理士がやさしく解説~』
『相続119番~誰にも聞けなかった相続の悩みを一挙に解決!』

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