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相続発生後の話し合いはいつする?遺産分割と相続税申告に向けた進め方

相続が発生すると、悲しみの中でもさまざまな手続きを進めなければなりません。
その中でも特に重要なのが、遺産分割と相続税申告に向けたご家族での話し合いです。
しかし実際には、いつ話し合いを始めれば良いのか悩まれる方も少なくありません。

結論から言うと、相続発生後の話し合いは、財産目録が出来上がったタイミングで早く始めることが大切です。
この記事では、相続における話し合いの適切なタイミングと、遺産分割・相続税申告で注意すべきポイントを分かりやすく解説します。

相続が発生したら、早めに専門家を交えてご家族で話し合うことが大切です

相続が発生したら、早めに専門家を交えてご家族で話し合うことが大切です

大切なご家族を亡くされた直後は、深い悲しみの中で多くの手続きや判断を迫られることになります。
その中でも大切な手続きのひとつが、遺産分割協議と相続税申告です。
相続が発生した際には、できるだけ早い段階で専門家を交え、ご家族でしっかり話し合うことが大切です。

相続税申告には期限があるため、早めの準備が必要です

相続税の申告期限は、被相続人(亡くなった方)が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡した日)の翌日から10ヶ月以内です。
期限までに相続税の申告・納税をしなかった場合は、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される可能性があるほか、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」といった相続税を減額するための申告と遺産分割が条件の特例が適用できなくなってしまいます。

また、相続放棄をする場合は、自分が相続人であると知った時から3ヶ月以内が期限です。
この期間を過ぎると、原則として全ての財産・借金を無条件で引き継ぐことになります。

このように、相続手続きには期限がある点に注意が必要です。
相続税の申告や相続放棄の期限までに、相続人の確定や財産の把握をしなければなりません。

財産調査や資料収集には時間がかかることがあります

相続税の申告・遺産分割や相続放棄を考えるにあたって、財産調査や資料収集をする必要があります。
ただし、これらの手続きには時間がかかることが多いため注意点が必要です。

戸籍の収集

相続の話し合いをするうえで重要な最初のステップは「相続人の確定」です。
相続人の調査をするには、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を市区町村に請求し、取得する必要があります。
そのうえで、相続人となる人が誰なのかを確定させます。
被相続人の戸籍は、死亡日時点の本籍における謄本だけでなく、すべての戸籍を取得しましょう。
転籍が多い場合は、それだけ手間や費用がかかるので注意が必要です。

金融機関等での照会

被相続人が複数の銀行や証券会社に口座を持っていた場合は、それぞれの窓口で残高証明や相続発生後5年~10年分の 取引履歴等を入手する必要があります。
金融機関によっては申請してから発行までに数週間かかるケースも少なくありません。
先延ばしにせず、できるだけ早めに手続きを行うことがポイントです。

また、被相続人が生命保険に加入していた場合は、保険金の請求もします。
その場合は、加入先の保険会社で手続きをしましょう。

不動産の調査

被相続人が所有していた不動産の調査は、固定資産税評価証明書、登記事項証明書(不動産登記簿謄本)、名寄帳などを取得して確認します。
しかし、「どこにどんな不動産があるか」を事前に知っていなければ登記記録にたどり着けないため、相続漏れが生じることもありました。
そこで令和8年2月2日から新設されたのが、「所有不動産記録証明制度」です。
所有不動産記録証明制度は、被相続人が日本全国に所有していた不動産の一覧を、法務局がリスト化して証明してくれます。
相続人が知り得なかった不動産が発覚することもあるため、ぜひ活用をご検討ください。

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所有不動産記録証明制度とは?相続税申告前に確認しておきたい不動産の調べ方

相続発生後の話し合いに適したタイミング

相続発生後の話し合いに適したタイミング

大切なご家族を亡くされた直後は気持ちの整理もつかず、相続について話し合うことに抵抗を感じる方も少なくありません。
しかし、遺産分割や相続税申告を円滑に進めるためには、適切なタイミングでご家族が話し合いを始めることが重要です。

葬儀後、少し落ち着いた時期に一度話し合う

相続の話し合いは、その後の手続きや期限を守るためにも、できるだけ早く行うことが大切です。
ただし、葬儀直後はご遺族の精神的・体力的な負担も大きく、すぐに遺産分割の話を進めるのは難しいでしょう。
最初の話し合いのタイミングとしては、葬儀後の少し落ち着いた時期がおすすめです。

最初の話し合いのポイントは、すぐに財産の分け方を決めようとするのではなく、現状を整理するための話し合いと考えることと、お願いする専門家を探しだすことでご家族も冷静に向き合いやすくなります。

四十九日より前に遺産相続の話をするのは不謹慎だという考え方をする方も少なくありませんが、相続手続きは故人へのお弔いと考え、専門家とは相続発生後10日~30日以内には会っておく方が良いでしょう。
葬儀後は、ご自身を含め家族の心情面を配慮することを優先し、自分達だけで無理に話し合いを進めないこともポイントです。

専門家探しにあたっては、相続税申告が必要な場合は最初から相続専門の税理士を探すことが、時間と費用を節約できます。

預貯金・不動産・保険などの資料が集まり始めた時期

財産の全体像が見えないまま話し合いを進めてしまうと、後から「聞いていなかった財産が出てきた」「評価額が思っていたより違った」といった困りごとが起こりやすくなります。
相続の具体的な話し合いは、預貯金・不動産・保険などの資料がある程度集まり始めたタイミングで行うことが重要です。
預貯金の残高、不動産の評価額、生命保険金の内容、有価証券や借入金の有無などが整理されてくると、相続人全員が相続財産の状況を客観的に把握しやすくなりので、専門家に遺産分割用の「財産目録」の作成を依頼するとスムーズに話が進むでしょう。

また、遺産に不動産がある場合は、遺産分割協議に際して売却するのか、誰かが住み続けるのかによって今後の手続きや必要資金も変わってくるでしょう。
資料を確認しながら専門家を交えて話し合うことで、相続人それぞれの考えや事情も共有しやすくなるメリットがあります。

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相続発生後の手続き概要

最初の話し合いで決めておきたいこと

最初の話し合いで決めておきたいこと

相続発生後の最初の話し合いでは、いきなり「誰がどの財産を相続するか」を決める必要はありません。
まずは、ご家族全員で現状を整理し、今後の進め方を共有することが大切です。
初期段階で方向性を整理しておくことで、その後の手続きや遺産分割協議をスムーズに進めやすくなります。
特に、相続税が発生する場合は相続税の試算も並行して把握を始めましょう。

相続人が誰になるのか確認する

相続の手続きを進めるうえで、まず確認しなければならないのが、誰が相続人になるのかという点です。
相続では、法律によって相続人の範囲が決められています。

一般的には、配偶者と子どもが相続人になりますが、子どもがすでに亡くなっている場合には孫が代襲相続人になるケースもあるでしょう。
また、子どもがいない場合には、親や兄弟姉妹が相続人になることもあります。
後から新たな相続人が判明すると、話し合いをやり直さなければならないため、戸籍を取り寄せて正式に確認することが重要です。
相続人を正確に把握しておくことは、遺産分割協議や相続税申告を適切に進めるための土台になります。

財産資料を誰が集めるのか役割を決める

相続では、預貯金・不動産・保険・有価証券など、多くの資料を集める必要があります。

しかし、必要書類は金融機関や役所ごとに異なり、想像以上に時間と手間がかかるもの。
そのため、最初の話し合いでは、財産資料を誰が集めるのか、きちんと役割を決めておくことが大切です。
例えば、預貯金関係は長男、不動産資料は同居していた家族、保険関係は配偶者など、役割分担をしておくことで、手続きを効率的に進めやすくなります。

もちろん、誰かひとりが資料収集を請け負うことも可能です。
しかし、ひとりだけが情報を抱えてしまうと、他の相続人との間に不信感が生まれることがあります。
特に、いわゆる「名義預金」や「タンス預金」、GOLD(ゴールドバー)など税務調査の引き金になるような財産も把握しておきたいところです。
資料収集の進捗や内容を定期的に共有することも、円満な相続を進めるうえでは重要です。
相続税申告を専門にしている税理士法人などでは資料収集も代行してくれる事務所があるので、相談してみるのも良いと思います。

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自宅や貸金庫にGOLD・金地金がある場合の相続における問題点と税金の問題点

実家や不動産を誰が管理するのか確認する

相続財産の中でも、特に早めに方向性を決めておきたいのが実家や不動産の管理についてです。
特に空き家になった実家を放置してしまうと、固定資産税や空き家の管理などにおいて、さまざまな問題が起こる可能性もあるでしょう。

特に、不動産は相続人全員の共有状態になるケースも多く、管理する人が曖昧なままだと後々トラブルにつながることがあります。
鍵の保管、通帳や重要書類の管理、固定資産税の支払いなどの具体的な管理方法を含め、管理者をある程度決めておくことをおすすめします。

また、将来的に、誰かが住み続けるのか、売却するのかなどの方向性を考えるためにも、早い段階で不動産の状況を共有しておくことが大切です。

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遺産分割の話し合いで注意したいこと

遺産分割の話し合いで注意したいこと

遺産分割の話し合いは、相続人同士の関係が良好であっても、財産の分け方によっては認識の違いや対立が起きることがあります。
そのため、話し合いを進める際には、相続人全員が情報を共有し、お互いの立場を尊重しながら進めていくことが大切です。

一部の相続人だけで話を進めないようにしましょう

遺産分割でまず注意したいのが、一部の相続人だけで話を進めてしまうことです。
同居していた家族だけで決めてしまったり、一部の相続人に説明が十分にされていなかったりすると、争いの原因や不信感につながる可能性があります。
たとえ悪気がなかったとしても、感情的な対立に発展してしまうこともあるでしょう。

また、遺産分割協議は原則として相続人全員の合意が必要です。
一人でも欠けた状態で進めた内容や、遺産全体を開示せず進めた遺産分割は、無効になる可能性もあります。
相続の話し合いは、相続人全員に財産内容や進捗状況について共有しながら進めることが重要です。

預貯金だけで公平に分けられないケースもあります

相続では、預貯金だけで公平に分けられないケースも少なくありません。
例えば、生前に介護をしていた家族がいる場合や、相続財産の大半が不動産である場合など、単純に預貯金を等分した金額だけでは納得感が得られないこともあります。

また、不動産を相続人のひとりが取得する場合、他の相続人とのバランスをどう取るのかという問題も出てきます。
預貯金だけでは調整しきれず、代償金を支払う必要が出るケースもあるでしょう。

相続では、法律上平等であることだけでなく、相続人全員が納得できるかという視点もポイントのひとつ。
話し合いの際には、財産の金額だけを見るのではなく、これまでの家族関係や介護や生活支援の状況、不動産の管理についてなども踏まえながら、丁寧に話し合いを進めることが大切です。

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相続税申告を見据えた話し合いの進め方

相続税申告を見据えた話し合いの進め方

相続の話し合いでは、相続税申告のスケジュールも考えながら進めることが必要です。
特に不動産を含む相続では、分け方によって利用できる特例が異なるため、早い段階から税務面を意識した話し合いが必要になります。

相続税申告の期限から逆算して進めましょう

相続税申告を見据えた遺産相続では、期限から逆算して計画的に進めることが大切です。
具体的には、以下のステップを参考に進めると良いでしょう。

  • ・相続発生〜1ヶ月:死亡届提出、葬儀、遺言書の有無確認、相続人の確認、預貯金の確認、不動産資料の収集、保険内容の確認
  • ・1~3ヶ月:四十九日法要(初期段階の話し合い)、財産調査、相続放棄・限定承認の判断
  • ・3〜6ヶ月:財産の全体把握・不動産評価
  • ・6〜8ヶ月:遺産分割協議、遺産分割協議書の作成
  • ・8〜10ヶ月:相続税の申告・納税

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小規模宅地等の特例が使えるか確認することが大切です

小規模宅地等の特例とは、土地の評価額を最大80%減額して、相続税を減らすことができる制度です。
ただし、誰が不動産を相続するかによって、特例の適用可否が変わるため注意しましょう。

小規模宅地の特例が適用されるのは、以下の対象者です。

  • ・被相続人の配偶者
  • ・被相続人と同居していた親族
  • ・被相続人と別居していた親族で、持家のない一定の要件を充たしている親族

公平に分けるという視点だけで不動産の分割を決めてしまうと、本来利用できたはずの特例が使えなくなる可能性があります。

また、小規模宅地等の特例は適用要件が細かく、居住状況や所有状況によって判断が変わるケースも少なくありません。
自己判断で進めるのではなく、遺産分割の全体像を早い段階で税理士に確認することが重要です。

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相続の話し合いがまとまらない場合の対応

相続の話し合いがまとまらない場合の対応

ご家族とはいえ、相続に関して全員が同じ考えを持っているとは限りません。
相続の話し合いがまとまらないケースもあるでしょう。
しかし、話し合いが停滞すると、さまざまな手続きにも影響が出るため、一度整理しながら冷静に進めることが大切です。

まずは財産内容と相続人の情報を整理しましょう

話し合いがまとまらない場合、相続人全員が同じ情報を共有できる状態を作ることが重要です。
特に不動産は、実際の市場価値と固定資産税評価額で差が出ることもあり、「思っていたより価値が高い・低い」という認識のズレが生じるケースも少なくありません。

相続人がひとりでも欠けた状態で進めた遺産分割協議は、後から無効になる可能性があります。

税務上の影響を確認してから分割方法を考えましょう

特に不動産相続では、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減など、分割内容によって相続税額が大きく変わるケースがあります。
公平に分けるという理由だけで共有名義にすると、将来的に不動産売却や管理の際に新たなトラブルにつながるケースもあるでしょう。

話し合いがまとまらない場合の相続税の影響を税理士に確認したり、将来的な管理負担まで考えて話し合ったりといった、工夫をすることが大切です。
結論を急ぐのではなく、「税務面・実務面も含めて本当に適切な分け方か」を確認することで、相続後の後悔や新たなトラブルを防ぎやすくなります。

相続トラブルを防ぐために、早めに専門家へご相談ください

相続トラブルを防ぐために、早めに専門家へご相談ください

相続では、いつ話し合いを始めるべきかというタイミングが非常に重要です。
葬儀後の慌ただしさが落ち着いた頃に、ご家族で一度集まり、今後の流れを相続人全員で確認しておくことで、その後の遺産分割や相続税申告をスムーズに進めやすくなります。

相続の話し合いを後回しにしてしまうと、相続税申告期限が迫ったり、相続人同士の認識にずれが生じたりするなど、さまざまな問題につながる可能性があります。
だからこそ、早めの話し合いが大切です。

相続トラブルを防ぐためには、専門家に相談することをおすすめします。
相続専門の税理士などを交えることで、財産調査、不動産評価、名義預金の確認、相続税の試算などを、正確かつ客観的に整理しながら進めることが可能です。

関係性が深いからこそ、当事者だけでの話し合いが難しくなることがあります。
スムーズな相続手続きを実現するためにも、適切なタイミングで話し合いを始め、早めに専門家へ相談しましょう。

税理士法人プラス・相続ステーションは、遺産書類の収集、遺産分割サポート、相続税申告、不動産の換金などトータルで相続のプロとしてお悩みに寄り添ってきました。
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寺西 雅行

この記事を監修した専門家

寺西 雅行

税理士法人プラス 代表税理士
(株)相続ステーション 代表取締役
行政書士法人サポートプラス 代表行政書士

1962年生 同志社大学卒業。学生時代から25才までの間の3度の相続で自身が相続納税や借地人・借家人・農地小作人との折衝に苦労した経験から、不動産に詳しい相続専門税理士の必要性を痛感。
税理士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、ライフコンサルタント(生命保険)、証券外務員資格、M&Aスペシャリストの8種類の資格を有する相続・遺言・後見・不動産など財産に関する総合エキスパートとなる。
弁護士・会計士・税理士からの業務依頼や銀行からの相談、TVメディアからの解説依頼多数。

著書『相続専門の税理士だから言えるリスク回避の処方箋』
『相続トラブルSOS~専門の税理士がやさしく解説~』
『相続119番~誰にも聞けなかった相続の悩みを一挙に解決!』

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