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相続税が払えない場合の対処法 放置したときのリスクと、今から取れる回避策・使える制度

相続や遺贈によって取得した財産の合計額が基礎控除額を超える場合に課されるのが相続税です。
相続税の申告・納税期限は、相続が発生してから原則10か月以内。
相続人は期限内に基本現金一括で相続税を納めなければなりません。

あらゆる事情により相続税が払えない場合、どのようなリスクがあり、どう対処したら良いのでしょうか。
本記事では、相続税を払わずに放置したときに想定できるトラブルのほか、回避策や使える制度などを解説します。

相続税が払えない場合に知っておきたい基本知識 延滞税・加算税など未払いで発生する負担

相続税が払えない場合に知っておきたい基本知識 延滞税・加算税など未払いで発生する負担

相続税が払えない場合、いったいどんなことが起きるのでしょうか。
相続税が払えない状態の定義をはじめ、発生する可能性があるリスクをご紹介します。

相続税が「払えない」状態とは(不足・未納・申告漏れの違い)

相続税は、現金での一括納付が基本です。
相続税額が「払えない」状態とは、言葉通り「納付期限までに相続税をきちんと納められない状態」を指します。

  • ・期限までに払っていない未納
  • ・申告した金額が、実際に必要な額より不足している
  • ・思ったより高額になり、納税期限までに納税資金の全額が用意できなかった
  • ・申告自体をしていない
これらは、すべて「払えない」状態です。
また、被相続人名義の預金口座が凍結され、必要な資金をすぐに引き出せないことが原因で「払えない」状態に陥るケースもあります。

延滞税とは|発生するタイミングと負担のイメージ

延滞税とは、納税が遅れたことに対するペナルティです。
延滞税は法定期限の翌日から完納までの日数に対して課税されます。

対象となるケースは、以下のものが挙げられます。

  • ・申告したが納税が遅れてしまった
  • ・修正申告や期限後申告をした
  • ・税務調査によって更正・決定処分を受けた

延滞税は、納めるべき相続税の金額に対して年率で課税されます。
税率は2段階あり、納税が遅れれば遅れるほど税率が高くなるのもポイントです。

加算税とは|無申告・過少申告・重加算の考え方

加算税とは、申告遅れや申告金額が実際の金額よりも少なかったときなど、相続税の申告に不備があった際に課されるペナルティです。
加算税には以下の種類があり、それぞれ税率が異なります。

  • ・無申告加算税:期限内に申告しなかった場合に課される
  • ・過少申告加算税:本来より少ない金額で申告した場合に課される
  • ・重加算税:意図的な脱税など特に悪質と見なされた場合に課される
  • 関連 詳細ページ
    相続税・贈与税のペナルティ税率(加算税・延滞税など)

    相続税の納付期限と発生タイミング 払えないと感じたときに確認すべき3つのポイント

    相続税の納付期限と発生タイミング 払えないと感じたときに確認すべき3つのポイント

    相続税の納付すべきタイミングと、払えないことが判明した場合に確認すべきことを知っておきましょう。

    相続税の申告・納付期限(原則10か月)とスケジュール

    相続税の申告・納付の法定期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。
    基本は現金一括納付となるため、被相続人が亡くなってから原則10か月以内に相続税の申告、納税しましょう。
    相続税は、遺産分割の内容によって各相続人の相続税額を計算します。
    したがって、まず遺産分割協議を行い、そこから相続税の申告・納付までのすべてを10か月以内に完了させる必要があるのです。

    確認① 納税額の再計算|評価の見直し・特例の適用漏れ

    相続税が払えないと感じた場合は、まずは落ち着いて納税額を再計算しましょう。
    現金や預貯金のほか、不動産や有価証券なども相続財産には含まれます。
    また、プラスの資産だけでなく債務などのマイナスの資産も含まれるため、忘れずに計算に入れてください。

    不動産は、特に評価額が複雑になりがちです。
    税理士の土地評価能力で大巾に評価額が下り、相続税額が減少することもあります。そのような場合は申告後で更正の請求という正式な減額手続きが可能です。

    関連 詳細ページ
    相続税の還付の手続きとは?払い過ぎた相続税を還付できるか税理士が検証

    確認② 納税資金の棚卸し|現金・預貯金・換金可能資産

    相続税は、現金一括納付が基本です。
    納税資金が確保できるかどうか、現金や預貯金のほか、換金することができる資産を棚卸ししましょう。
    換金できる資産としては、不動産や貴金属などのほか、生命保険金などがあります。

    なお、不動産は現金化に時間がかかることが多いため注意が必要です。
    相続税の納税資金として、生命保険やすぐに現金化できる資産を用意しておくほか、生前贈与によって相続人側にあらかじめ資金を移しておくといった生前対策も有効と言えるでしょう。

    確認③ 分配状況の確認|遺産分割の進み具合と影響

    遺産分割が済んでいる場合は、分割割合に応じて相続税の計算をします。
    遺産分割協議がまとまっていない場合など、遺産分割ができていない場合は進捗状況に応じて対応しましょう。
    納付が遅延すると、遅れた分だけ延滞税が発生してしまいます。

    期限内に申告・納付する義務があるため、場合によっては未分割申告を行うのもひとつの手です。
    未分割申告とは、遺産分割前に法定相続人が法定相続分で相続したものとして相続税の申告や納税をすることを指します。
    ただし、未分割申告をする場合、延長は認められません。
    また、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例、物納が使えないなどのデメリットもありますので注意が必要です。

    相続税を払えない場合の主な対処法 延納と物納、それぞれの特徴と選び方

    相続税を払えない場合の主な対処法 延納と物納、それぞれの特徴と選び方

    相続税が期限までに払えない場合には、どうしたら良いのでしょうか。
    相続人には、延納や物納といった制度を利用する権利があり、状況に応じて選択が可能です。
    払えない場合の対処法である「延納」と「物納」について解説します。

    延納とは|利用できる条件と注意点(利子税・担保)

    延納とは、相続税額に相当する価額の担保を提供することによって、年賦(年払い)方式で納付できる制度です。
    相続税額が10万円以上であり、金銭で一括納付することが困難である事由がある場合に利用でき、延納期間中は利子税の納付が必要となります。
    延納期間は原則5年。
    ただし、相続財産の大部分が不動産である場合などは最長20年まで認められます。

    担保として認められるのは、国債や地方債、有価証券、土地、建物(保険付き)、工場財団、そして税務署長が確実と認める保証人の保証などです。
    なお、延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以内の場合は担保の提供が求められません。

    関連 詳細ページ
    延納を用いた相続税の納税の方法

    物納とは|対象財産と認められやすいケース

    物納とは、延納しても金銭での納付が難しい場合、一定の相続財産による納付ができる制度です。
    物納として認められるのは以下の所有する財産で、優先順位が設けられています。

    1. 第1順位 不動産、船舶、国債や地方債などの証券、上場株式など
    2. 第2順位 非上場株式など
    3. 第3順位 動産

    第1順位の財産があれば、それらの財産から提供します。
    不動産があるにもかかわらず、動産による物納は原則として許可されません。
    先順位の財産に適当な価額のものがない場合や、税務署長が特別の事情があると認める場合に限り後順位の財産を物納に充てることができます。

    また、これらの財産であっても不適格とされる場合は、物納として認められないため注意が必要です。
    例えば、担保権の登記がされている不動産や境界が明らかでない土地は物納が認められません。

    関連 詳細ページ
    物納を用いた相続税の納税の方法

    相続税を払えないままにした場合のリスクと他の相続人に及ぼす影響

    相続税を払えないままにした場合のリスクと他の相続人に及ぼす影響

    相続税が払えない場合、そのままにしてしまうと様々なリスクが生じます。
    相続税の未納にかかるデメリットは、遅くなれば遅くなるほど大きくなるものです。
    仮に全額納付が難しくても、支払いを無視し続けることはやめましょう。

    期限後に起こりうること|延滞税の増加と手続きの不利

    相続税の納付期限が過ぎてしまうと、その翌日から延滞税が課税されます。
    法律で定められている延滞税の上限は、原則として納税期限から2か月以内が年利7.3%、2か月目の翌日からは14.6%となる2段階設定です。
    延滞税は完納までの日数に応じて課税され、さらに2か月を経過すると税率が引き上げられます。
    そのため、納税が遅れればその分だけ延滞税が増えてしまうことになるのです。

    ただし、実際に適用される延滞税率は、その時点の景気や金利で変動します。
    国税庁が公表した令和4年〜令和7年の延滞税は、2か月以内2.4%、2か月経過後8.7%でした。
    今後変更される可能性はありますが、参考として押さえておくとよいでしょう。

    なお、相続税の申告・納税期限を過ぎた場合や、意図的に申告額を減らしたり、無視したりした場合には、無申告加算税または重加算税も課されます。
    二重のペナルティが課されることで、重い税負担となるため注意しましょう。
    これらのペナルティは、税務署による税務調査の前後など、支払うタイミングによって税率が異なります。

    第1段階 税務調査の事前通知前に自主的に申告した場合
    第2段階 税務調査の事前通知を受けてから調査までに申告した場合
    第3段階 税務調査を受けてから申告した場合

    例えば、納付すべき相続税額が100万円の場合。
    無申告加算税は、第1段階のタイミングなら5%、第2段階なら15%、第3段階なら25%になります。
    過少申告加算税は、第1段階は免税、第2段階なら10%、第3段階なら15%。
    重加算税は、申告書を提出済み(過少申告)であれば35%、提出していない(無申告)なら40%、条件によってはさらに加算されることになります。

    実際の詳しい計算方法については、税理士事務所や税務署にて確認してください。

    他の相続人に及ぼす影響

    相続税法には『連帯納付義務』という恐ろしい規定があります。その内容は、「同一の被相続人から財産を相続した人が相続税を払えない・払わない場合は、他の相続取得者が肩代りして払ってもらいます。」というものです。

    つまり、遺産分割や遺言により相続が確定した相続税を事情があって相続税を払えない人や不真面目で相続税を払わない人がいたら、国税当局は他の相続人が相続取得した財産を限度として払えない人の分まで立替えて払わせる権限を有しているという法律です。

    もちろん国税は払えない人や払わない人に督促や財産差押えを行いますが、他の相続人も対岸の火事ではないということを知っておいて下さい。
    その様な理由から、遺産分割協議や遺言作成時に金融資産はほとんど相続せず換金納税できない不動産や自社株のみを特定の人に相続させるような内容は避けた方が良いでしょう。

    関連 詳細ページ
    遺産分割協議の提案/相続納税を意識した遺産分割の提案・相続税連帯納付義務の驚異

    相続税未払いで税理士が関与するポイント

    相続税未払いで税理士が関与するポイント

    相続税の未払いにおいて、税理士が活躍できるポイントをまとめました。
    相続税が払えない場合は、まずは税金のプロである税理士に相談すると良いでしょう。

    相続税額の再確認と評価の見直し

    本来払うべき相続税額の計算は、正しい申告・納税においては最も大切な部分です。
    悪意がなかったとしても、相続税額の計算間違いがあれば、過少申告加算税が課されることがあります。
    相続税の正しい計算は、相続財産の正確な評価がポイント。
    通常の相続税の計算はもちろん、相続税が払えない場合や土地などが多く計算が難しい場合は、後々のトラブルを避けるためにも税理士に相談することをおすすめします。

    特例・控除の適用可否の判断

    特例や控除が適用できるかどうかはケースバイケースです。
    自分の場合はどの特例や控除が使えるのか、未払いの場合には特例の適用はできるのかなど、それぞれのケースに応じた対応が必要となるでしょう。

    特例や控除は、適用されれば大幅な節税ができる可能性があります。
    知らずに損をしていることもありますので、税理士に相談のうえ、特例や控除を活用できないか確認してもらうのがおすすめです。

    延納・物納の可否判断と申請サポート

    延納や物納は、現金で一括納付できない場合に、条件に当てはまれば利用できる制度です。
    延納による分割払いや物納を選択する際には、要件を満たしているほか、担保の提供、利子税の支払い、申請書の作成や提出といった手続きが必要になります。

    そもそも、自分の相続でも延納や物納が適用されるのか疑問に思う方も多いでしょう。
    書類の作成、申請の際の手続きや、利子税の金額計算など、延納・物納にかかる手続きのサポートは、税理士に依頼した方がスムーズです。

    納税資金確保のための選択肢整理

    相続税の納付は現金一括納付が基本です。
    被相続人の遺産に現金が多い場合は、相続した現金で納付することが可能でしょう。
    一方で、遺産の多くが不動産の場合など、すぐに現金を用意することができない場合もあります。
    このような場合において、「現金がないから」という理由で納付しない選択をしてしまうのはおすすめできません。
    不動産や貴金属等を売却する、生命保険金を請求して納税資金とするなど、納税資金確保の方法は現金の用意以外にも様々なものがあります。

    納税資金の確保についての相談も、税理士が力になってくれるでしょう。
    相続発生後や納税資金に困ってからの相談はもちろん、生前対策として早めに相談しておくこともおすすめです。

    家族・相続人間のトラブルを防ぐために 相続税でお悩みの際は、早めのご相談が大切です

    家族・相続人間のトラブルを防ぐために 相続税でお悩みの際は、早めのご相談が大切です

    相続税は、誰にとっても他人事ではありません。
    「貯金が少ないから大丈夫」と思っていても、不動産を多く持っているために相続税が課され、相続人が納税資金の確保に困ってしまうケースも見られます。

    しかし、相続税が払えない場合でも、そのままにしておくことはおすすめできません。
    払えないことを理由に「相続放棄」すると、自分以外の親族に相続権が移り、かえってトラブルを招く可能性もあり得ます。

    相続税の申告・納税期限は、被相続人の死亡から原則10か月以内です。
    この期限までに相続税の申告や納税ができない場合は、延滞税や加算税が課されてしまいます。
    意図的に税金を逃れようとした場合などは、さらに税率の高い重加算税がかかることも。
    また、税務署から督促状が届いても放置を続けると、相続した財産だけでなく相続人自身の財産を差し押さえられる可能性も出てきます。

    ペナルティを回避するためには、正確な金額での申告・納税が必要です。
    相続税がいくらになるのか、自分に払えるのかなどの不安はもちろん、贈与のような生前対策など、相続税に関連するお悩みは早めに専門家に相談することをおすすめします。

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寺西 雅行

この記事を監修した専門家

寺西 雅行

税理士法人プラス 代表税理士
(株)相続ステーション 代表取締役
行政書士法人サポートプラス 代表行政書士

1962年生 同志社大学卒業。学生時代から25才までの間の3度の相続で自身が相続納税や借地人・借家人・農地小作人との折衝に苦労した経験から、不動産に詳しい相続専門税理士の必要性を痛感。
税理士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、ライフコンサルタント(生命保険)、証券外務員資格、M&Aスペシャリストの8種類の資格を有する相続・遺言・後見・不動産など財産に関する総合エキスパートとなる。
弁護士・会計士・税理士からの業務依頼や銀行からの相談、TVメディアからの解説依頼多数。

著書『相続専門の税理士だから言えるリスク回避の処方箋』
『相続トラブルSOS~専門の税理士がやさしく解説~』
『相続119番~誰にも聞けなかった相続の悩みを一挙に解決!』

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