相続手続きに必要な書類一覧をわかりやすく解説!

相続の手続きは時間と手間がかかるといわれますが、そのほとんどの時間は必要書類の取得や作成に費やされています。
相続税の申告はもちろん、銀行預金など金融商品の名義変更や相続登記にも、たくさんの書類が必要です。
しかし、中には重複している書類もあるため、事前に必要書類を把握しておくことで効率良く準備できるでしょう。

この記事では、相続の必要書類について内容や入手方法も含め、詳しく説明します。

遺産相続が発生した時にまず、すべきこと

遺産相続が発生した時にまず、すべきこと

相続手続とは、亡くなった人(被相続人)の所有財産を生存している親族(相続人)に引き継ぐための手続きです。
手順としては、次の3ステップに大別できます。

1.相続手続きの準備
2.遺産分割・名義変更
3.相続税申告と納税

ステップごとに、手続き内容を紹介しましょう。

1.相続手続きの準備

被相続人が亡くなったことを知った日が「相続開始の日」となります。
そして、相続開始の翌日から10ヵ月後が「相続税の申告と納税」の期限です。
きちんと間に合わせるためには、なるべく早いタイミングで相続手続きの準備を始めましょう。

①遺言書の有無の確認
被相続人が遺言書を作成しているかどうかを確認します。

②相続人の確認
相続人とは、親族の誰もが該当するわけではなく、下表のように法律によって相続人の範囲と順位が定められています。
誰が該当するのか、確認しておきましょう。

相続人の順序 被相続人との関係
常に 配偶者
第1順位 子 ※亡くなっている場合は、直系卑属(孫、ひ孫)
第2順位 父母 ※どちらも亡くなっている場合は、直系尊属(祖父母、曾祖父母)
第3順位 兄弟姉妹 ※亡くなっている場合は、直系卑属(甥姪)

③遺産と債務の確認
被相続人が所有していた遺産と債務を調べて、一覧表を作成します。
預貯金や有価証券、不動産、宝石貴金属ブランド品といった目に見える財産だけでなく、著作権や特許権といった知的財産権、生命保険金や死亡退職金なども立派な遺産です。
また、被相続人から相続人に対する「死亡より3年以内の生前贈与」や「相続時精算課税制度適用の生前贈与」などで得た財産も、相続税の対象となる点に注意しましょう。

2. 遺産分割・名義変更

相続人と遺産の確認ができたら、遺産をどのように分割するかを相続人全員で協議します。
遺言書がある場合は遺言に従いますが、遺言書がない場合は相続人全員の合意が得られればどのように分けてもかまいません。

3.相続税の申告と納税

実際の遺産分割のとおりに相続税額を計算し、申告と納税を行います。
相続税申告書は被相続人の住所地の税務署に提出し、納税は現金で一括納付が原則です。

相続手続きに必要となる書類一覧

相続手続きに必要となる書類一覧

ここからは、相続手続きで必要な書類を目的別に案内します。

本人確認書類

相続税申告時、あるいは相続登記や名義変更の手続きを行う際に、相続人の身元や個人番号を証明するための書類です。

書類名 入手先
マイナンバーカード 市区町村役場

●マイナンバーカード
相続手続では、多くの場合で「個人番号」を必要とするため、「表面:身元確認、裏面:個人番号」が確認できるマイナンバーカードが重宝します。

マイナンバーカードがない場合は、身元証明書類として従来通りに運転免許証やパスポート、番号確認書類としてマイナンバーを記載した住民票や住民票記載事項証明書で代用できます。
マイナンバー通知カードは、記載住所と現住所が同じ場合に限り使用可能です。

また、被相続人のマイナンバーカードがあると便利な場面もあるため、はやばやと処分しないように気をつけましょう。

相続関係を証明する書類

被相続人が亡くなったことの証明、被相続人と相続人の関係を証明する書類は以下のとおりです。

書類名 入手先
被相続人の出生から死亡まですべての戸籍謄本 各本籍地の市区町村役場
被相続人の住民票・除票 被相続人の住所地の市区町村役場
相続人の戸籍謄本 各相続人の住所地の市区町村役場
相続人の印鑑登録証明書 各相続人の住所地の市区町村役場

●被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
被相続人の身分事項(婚姻・離婚・養子縁組・転籍など)がどのように変動したのかを調査するために、生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本を取得します。
しかし、通常、住所地(本籍地)では最新の戸籍謄本しか取得できないため、連続したすべての戸籍謄本を取得するためには、下記のような手続きが必要です。

① 亡くなった時の住所地の市区町村役場で戸籍謄本(A)を取得
② Aに記載されている「移動前の本籍地」の市区町村役場で戸籍謄本(B)を取得
③ Bに記載されている「移動前の本籍地」の市区町村役場で戸籍謄本(C)を取得
④ 被相続人の出生時の戸籍謄本にたどり着くまで、くり返す

何通必要かは人によりますが、多いほど手続きが煩雑で交付費用もかかります。
また、「被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本」が必要な場面は多く、中には提出後に返却されない場合もあるため、取得時には複数部数を交付してもらうと安心です。

●被相続人の住民票
被相続人のすべての戸籍謄本に加えて、住民票を必要とする手続きも多くあります。
正確には、「住民票・除票」で、「ここに住んでいた人が亡くなった」ということを証明するために必要というわけです。

●相続人の戸籍謄本
相続人の戸籍謄本は、最新の本籍地のものだけでかまいません。
ただし、相続人である子が亡くなっているため孫が代襲相続する場合などは、「その子と孫が相続関係にあること」を証明するために、「出生から死亡までのすべての戸籍謄本」が必要になります。

●相続情報一覧図(法定相続情報証明制度)
相続手続のたびに戸籍謄本を取得する手間を省きたいという人は、法定相続情報認証制度を利用すると良いでしょう。

① 「被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本」「相続人の戸籍謄本」を取得
② 相続関係を一覧に表した図を作成
③ ①と②を法務局に提出
④ 認証文を得た「相続関係一覧図」が法務局に保存され、その写しの発行が可能になる

相続関係一覧図の写しは、相続関係の証明書類として利用できるため戸籍謄本の束を何度も取得する必要がなくなります。
また、相続情報一覧図の写しは無料で発行されるため、大幅な経費削減を図ることもできるというわけです。

書類名 入手先
相続情報一覧図 法務局

●相続放棄受理証明書
相続人の中には、「相続放棄」を選択する人がいるかもしれません。
相続の放棄とは、相続財産を得る権利も債務を返済する義務も、何もかも手放すということで、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
相続放棄者がいることがわかるように、相続放棄受理証明書の発行を申請し、相続情報書類に添付しておきましょう。

書類名 入手先
相続放棄受理証明書 家庭裁判所

相続財産を証明する書類

遺産の価格は、購入時の金額ではなく相続発生時(=死亡時)の時価で評価します。
遺産の種類ごとに定められた評価方法に従って、すべての遺産を評価し、評価額を証明する書類を入手しなければなりません。

遺産の種類 評価額を証明するための書類名 入手先
預貯金 通帳(最新まで記帳済み、少なくとも1年分以上)、金融機関の残高証明書、経過利息計算書など 銀行、郵便局など
有価証券 証券会社の残高証明書、配当金支払通知書など 証券会社
不動産 登記簿謄本(全部事項証明書)、固定資産税課税明細書、賃貸借契約書など 法務局、不動産の住所地の市区町村役場
書画骨董品・宝石貴金属・ブランド品 真贋鑑定書、品質保証書、購入時の領収書など 鑑定所、各店など
生命保険金 生命保険金支払通知書、生命保険権利評価額証明書、契約内容のわかる書類など 生命保険会社
贈与財産 贈与契約書、贈与税申告書控え、贈与時の贈与税納税証明書など  
債務 借入金、未納租税公課などの金額がわかる残高証明書や契約書など 金融機関、住所地の市区町村役場など

上記のような遺産の評価を証明する書類を入手したら、次はすべての財産を記した財産目録を作成します。

書類名 入手先
財産目録 相続人、又は代理人が作成、被相続人が生前に作成

●財産目録
財産目録には決まった様式はありませんが、少なくとも記載しておくべき項目は下記のとおりです。

遺産の種類 記載項目
・預貯金 金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、被相続人の死亡時の残高、現在の残高
・有価証券 銘柄、株数(口数)、証券会社、口座番号、一株当たりの単価、評価額
・不動産 【土地】土地の所在、地番、地目、地積
【建物】建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積
・書画骨董品・宝石貴金属・ブランド品 種類、購入店、購入価格、鑑定価格、見た目の情報(写真も含む)など
・生命保険金 【死亡保険金】保険会社名、保険会社の所在地、受取年月日、受取人名、金額
【被相続人が契約者の保険契約】保険会社名、保険会社の所在地、契約年月日、保険期間、相続開始時の解約返戻金額
・贈与財産 贈与年月日、贈与者名、受贈者名、贈与額
・債務 債務の種別、債権者名、借入日、相続開始時の負債残高、毎月の返済額、完済予定日

財産目録は手書きである必要はなく、パソコン等で作成してもかまいません。
また、被相続人自身が生前に作成したものがあるならば、現状と相違ないことを確認し、必要ならば追記や修正をして使うこともできます。

相続税申告の関連書類

冒頭でもお話ししましたが、相続税の申告期限は「相続の開始」から10ヵ月後です。
それまでに書類を整えられなかったり、遺産分割が終わらなかったりしても、期限を延ばすことはできません。

また、相続税の申告は被相続人の住所地の税務署に提出する点にも注意しましょう。

●相続税の申告
相続税の申告に必要な用紙は、税務署の窓口で受け取れる他、国税庁Webサイトの「相続税の申告書等の様式一覧」ページからダウンロードする方法でも入手できます。

【相続税申告用紙】
第1表「相続税の申告書」
第2表「相続税の総額の計算書」
第3表「財産を取得した人のうちに農業相続人がいる場合の各人の算出税額の計算書」
第4表「相続税額の加算金額の計算書」
第5表「配偶者の税額軽減額の計算書」
第6表「未成年者控除額・障害者控除額の計算書」
第7表「相次相続控除額の計算書」
第8表「外国税額控除額・農地等納税猶予税額の計算書」
第9表「生命保険金などの明細書」
第10表「退職手当金などの明細書」
第11表「相続税がかかる財産の明細書(相続時精算課税適用財産を除く)」
第12表「農地等についての納税猶予の適用を受ける特例農地等の明細書」
第13表「債務及び葬式費用の明細書」
第14表「純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産価額及び特定贈与財産価額・出資持分の定めのない法人などに遺贈した財産・特定の公益法人などに寄附した相続財産・特定公益信託のために支出した相続財産の明細書」
第15表「相続財産の種類別価額表」

合わせて、ここまでに整えてきた「各項目を証明する書類」を添えて提出しましょう。
また、相続人の身元や個人番号を確認するためのマイナンバーも必要です。

遺言書がある場合はどうなる?

遺言書がある場合はどうなる?

ここまでお話ししてきたのは「遺言書がない場合」の相続でしたが、ここからは「遺言書がある場合」の説明をしましょう。
とはいえ、基本的に必要な書類や手続きが変わるわけではありません。

ひとつだけ、大きく変わる点は遺産分割についてです。
遺言書がない場合は、遺産の分割方法について相続人全員で話し合って決めることができましたが、遺言書がある場合は被相続人の意思に従うこととなります。

また、遺言書は、主に「自筆証書遺言書」と「公正証書遺言書」の2種類で遺されていることが多く、それぞれに必要な手続きや書類が異なる点に注意が必要です。

自筆証書遺言書

被相続人が自書で記した遺言書です。
厳しい様式が定められているため、様式を知らずに作成したものは法的に無効となる可能性もあります。

改ざん等を防ぐため、自宅などで発見した場合は未開封の状態で速やかに家庭裁判所に持ち込み、「検認」を受ける必要があります。
法務局の遺言書保管制度により保管されていたものは、検認の必要はありません。

書類名 入手先
法務局以外で保管されていた場合:検認済証明書 家庭裁判所
法務局に保管されていた場合:遺言書情報証明書 法務局

公正証書遺言書

公証人と証人の立ち会いの下で作られた遺言書です。
法律的に見て、きちんと整理された内容の遺言書を作成するため、不備で無効になることはありません。
また、原本が公証役場に保管されており改ざんや隠匿等を行うことができないため、検認の必要もないというわけです。

遺言書の写し

遺言書がない相続では「遺産分割協議書」を作成し、相続税申告や名義変更手続きの際に証明書類として提出していました。
遺言書がある場合は、「遺言書の写し」が同様の役目を果たします。

相続手続きは、専門知識のある税理士に相談しましょう

相続手続きは、専門知識のある税理士に相談しましょう

この記事では、相続手続きの流れに沿って、必要書類に焦点を合わせて解説してきました。
いくつもの資料を用意しなければならず、状況に応じて全国の役所や公共機関に出向かなければならないことがおわかりいただけたかと思います。
ひとつひとつは難しい作業ではなくても量が多いため時間がかかり、重複書類を何度も取り直すことがストレスになるというのはよく聞く話です。
負担を軽くするために、人手を増やすというのはどうでしょうか。

相続税の専門家である税理士ならば、必要書類を確実に収集し、不備のない申告書類を整えることが可能です。
また、相続税額を軽減するための対策案をいくつも持っているため、依頼することで節税効果も期待できます。

まずは、初回相談無料サービスなどを利用して、自分や家族のケースではどのようなサポートがあるのか聞いてみるのも良いでしょう。

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