贈与税がかからない贈与(5)住宅取得資金贈与

贈与税は、年110万円までなら贈与税がかかりませんが、次に掲げる財産についても贈与税がかからないことになっていますので、「相続時精算課税贈与」と同じく上手に使えば大幅に相続節税が可能です。

 

(5)住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

住宅取得等資金贈与のうち一定の要件を満たすもの

制度の概要

父母や祖父母から居住用家屋の新築、取得又は増改築等に充てるための金銭の贈与を受けた場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までは、贈与税が非課税となります。

 

非課税限度額

受贈者ごとの非課税限度額は、次のイ又はロの表のとおり、新築等をする住宅用の家屋の種類ごとに、受贈者が最初に非課税の特例の適用を受けようとする住宅用の家屋の新築等に係る契約の締結日に応じた金額となります。

 

イ. 下記ロ以外の場合

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成28年1月1日~令和2年3月31日 1,200万円 700万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,000万円 500万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日
 
R.3の改正により引き上げ
800万円

1,000万円
300万円

500万円

 

ロ. 住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成31年4月1日~令和2年3月31日 3,000万円 2,500万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,500万円 1,000万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日
 
R.3の改正により引き上げ
1,200万円

1,500万円
700万円

1,000万円

注:「省エネ等住宅」とは、省エネ等基準(①断熱等性能等級4若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であること、②耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上若しくは免震建築物であること又は③高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること)に適合する住宅用の家屋であることにつき、次のいずれかの証明書などを贈与税の申告書に添付することにより証明されたものをいいます。

 

証明書などの種類 証明対象の家屋
住宅性能証明書
  • イ.
  • 新築をした住宅用の家屋
  • ロ.
  • 建築後使用されたことのない住宅用の家屋
  • ハ.
  • 建築後使用されたことのある住宅用の家屋(※1)
  • ニ.
  • 増改築等をした住宅用の家屋(※2)
建設住宅性能評価書の写し
長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し
及び住宅用家屋証明書(その写し)又は認定長期優良住宅建築証明書
  • イ.
  • 新築をした住宅用の家屋
  • ロ.
  • 建築後使用されたことのない住宅用の家屋
低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し
及び住宅用家屋証明書(その写し)又は認定低炭素住宅建築証明書

※1 建築後使用されたことのある住宅用の家屋の場合は、その取得の日前2年以内又は取得の日以降に、その証明のための家屋の調査が終了したもの又は評価されたものに限ります。
※2 住宅用の家屋の増改築等をした場合に、省エネ等基準に適合させるための工事であることについての証明がされた「住宅性能証明書」又は「建設住宅性能評価書の写し」に代えることができます。

 

受贈者の要件

次の要件の全てを満たす受贈者が非課税の特例の対象となります。

  • (1)
  • 贈与者の直系卑属(子や孫・ひ孫・養子)であること。
    (注) 配偶者の父母や祖父母からは該当しませんが、養子縁組をしている場合は該当します。
  • (2)
  • 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること。
  • (3)
  • 贈与を受けた年の年分の受贈者の合計所得金額が2,000万円以下であること。
  • (4)
  • 平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと。
  • (5)
  • 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、又はこれらの方との請負契約等により新築若しくは増改築等をしたものではないこと。
  • (6)
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
  • (7)
  • 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること。
  • (8)
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。(翌年末までの居住実態は必須)

 

住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の要件

「住宅用の家屋の新築」には、その新築とともにするその敷地の用に供される土地等又は住宅の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含み、「住宅用の家屋の取得又は増改築等」には、その住宅の取得又は増改築等とともにするその敷地の用に供される土地等の取得を含みます。
また、対象となる住宅用の家屋は日本国内にあるものに限られます。

【1】新築又は取得の場合の要件

  • イ.
  • 新築又は取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50(R.3の改正により合計所得1000万円以下は40)平方メートル以上240平方メートル以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
  • ロ.
  • 取得した住宅が次のいずれかに該当すること。
    ①建築後使用されたことのない住宅用の家屋
    ②建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その取得の日以前20年以内(鉄骨造、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は25年以内)に建築されたもの
    ③建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの
    ④上記②及び③のいずれにも該当しない建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その住宅用の家屋の取得の日までに同日以後その住宅用の家屋の耐震改修を行うことにつき、一定の申請書等に基づいて都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明書等により証明がされたもの

【2】増改築等の場合の要件

  • イ.
  • 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
  • ロ.
  • 増改築等に係る工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。
  • ハ.
  • 増改築等に係る工事に要した費用の額が100万円以上であること。
    また、増改築等の工事に要した費用の額の2分の1以上が、自己の居住の用に供される部分の工事に要したものであること。

 

非課税の特例の適用を受けるための手続

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に戸籍の謄本、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

 

~「贈与税がかからない贈与」目次~
(1)生活費・教育費のその都度払い
(2)教育資金の一括贈与
(3)結婚・子育て資金の一括贈与
(4)おしどり贈与
(5)住宅取得資金贈与
(6)お祝い・お見舞い
(7)特定障害者扶養信託い

 

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