遺言書 Q&A 一覧
遺言についてお悩みの方からご質問が多かった内容をまとめてみました。
※令和3年(2021年)現在の法令による。今後、改正があればアップデートしていきます。
Q1.遺言はとても大事、といった話を最近よく聞きますが、そんなに大事なのでしょうか?
A1.
死亡保険金や遺言記載の財産以外は、被相続人の死亡の瞬間から相続人全員の共有となり、様々な支障をきたしてしまいます。
キャッシュカードのない定期預金は、各銀行ごとの所定の書類に、相続人全員の戸籍や印鑑証明、サイン、実印押印を揃えて提出しない限り、出金や解約はできなくなります。
株・投信は、名義変更した後しか、売却・換金できません。
分割協議、名義変更などで時間を要している間に時価が下落してもどこにも文句は言えません。
貸金庫は、契約が被相続人名義であれば、2人目の解錠者を届け出ていても銀行所定の書類に全相続人の実印が揃うまでは開けられなくなります。
不動産等の名義変更にも、全員のサイン・実印・印鑑証明つきの遺産分割協議書が必要です。
つまり、
遺言は、単なる争続対策ではなく、時間と手間をショートカットする為のものなのです。
ですから、
作れば良いというものではなく、クオリティーが問われるわけで、加えて、相続税も意識した遺言を心掛けたいものです。
詳しくは、
★ 「相続発生 まず生じる問題」
★「遺言が必要な16のケース」
をご覧ください。
Q2.どのようなケースの場合に遺言が必要か事例を教えてください
A2.
遺言は単に “ もめごと防止 ” だけの為や、財産が多い人だけのモノではありません。
財産ボリュームに関係なく、相続発生の瞬間から遺産は凍結・共有状態になり、全相続人の同意が無いとどうにも動かせなくなるので、相続人が2人以上いれば遺言は作成した方が良いでしょう。
又、相続発生時点で妻などが重度の認知症になっていれば家庭裁判所で一定の手続きを経ないと何も進みません。
配偶者の相続税軽減の特例や、自宅に対する相続税を軽減する特例も、遺言がなければ全相続人参加の遺産分割協議書が必須です。
弊社でも、遺言作成を承っております。
特に、
★ ⇒ 「遺言が必要なケース」 はこちら >>>
Q3.父は借金をしてアパート経営をしようとしていますが、遺言は必要ですか? 因みに他に青空駐車場も経営しています。このような場合は、 特に公正証書遺言をしておいて貰わないと困ることになる! と聞きましたが、何故ですか?
A3.
理由は次の2つです。
①遺言なく相続発生してしまうと、分割協議が整う迄の間の賃料は分散される。
⇒ 借金があれば返済できなくなる。
②借金の承継者を指定しておかないと遺留分の計算上不利になる。
からです。
特に、借金の承継者指定が抜けている様ケースも多いので、借入のある方は「遺言」のチェックをオススメ致します。
⇒「賃貸不動産オーナーは遺言必須」
をご参照ください。
Q4.遺言を誰かに信託(預ける)しておく必要ってあるのでしょうか?
A4.
公正証書遺言の場合、作成すれば原本は公証人役場にて遺言者が120才になるまで無料で保管し、遺言者へは正本と謄本(正式な写し)の計2部が手許控えとして交付されます。
遺言者やその家族は、それらを一部ずつ別々の場所で保管しておけばたとえ片方を紛失や焼失しても特段の不具合は生じません。
まして、公証人は、
遺言者の生死にかかわらず数千円~数万円で何度でも再交付(遺言者存命中は遺言者の請求で。死亡後は相続人ならだれでも交付請求可。)してくれるので信託しておく必要性は?です。
Q5.公正証書遺言を作っています。今までの内容でよいか、第三者にチェックして欲しいのですが、預けている人から返してもらわないといけないのでしょうか?
A5.
遺言をつくった人が、つくった公証人役場に行けば再発行してもらえるので、返してもらう必要はありません。
つくり直す場合でも、その人たちに断りを入れる必要もなく、遺言は新しいものが最優先されますので、心配することはありません。
因みに、
彼らは相続税法のプロではないのでマイナンバーによる税務調査が予期される案件は要注意です。
又、相続発生時の遺言執行料についても、大半の方が、事前に見積もりをもらって執行人指名をされていないので、相続発生後にトラブルになっているケースもあるようです。
Q6.遺言で財産を妻に残すようにしています。でも、私より先に妻が死亡したらどうなるのですか?
A6.
人間である以上、夫が先で妻が後とは限りません。
ですが、そのような順番だけを想定した遺言がほとんどです。
万が一、
遺言で財産を残すように指定していた人が先に死亡してしまうと、民法994条と平成23年最高裁判決により、その部分の遺言は無効となってしまいます。
「先に妻が亡くなってしまったら、妻に相続させようとしていた財産は○○に」
と遺言に追加するなど確実に財産を渡したい人に渡せるような遺言作りのノウハウが必要です。
因みに、
公証人は、遺言内容や財産配分についての助言義務は無いので、
「公正証書で作ってあるから大丈夫だろう。」
の過信は禁物です。
詳しくは、
★ プロでも知らない遺言作成14のポイント
をご覧ください。
Q7.遺言考えていますが、公証人役場に相談しても財産の分け方や内容の指導はしていないと言われました。遺言を考える際のポイントがあれば教えてください。
A7.
遺言は作れば良いというモノではなく、次のようなポイントが抜けていると逆効果になりかねません。
一度で完全なモノにされたいのであれば、弊社に是非ご相談ください。
既に作成済みの方も是非チェックしてみてください。
下記の参考ページは、
お客様がどこかの専門家に作ってもらった遺言を用いて多くの相続税申告や相続手続きを行ってきた中で、実際に支障が出た、いわば、「不具合遺言の実例」の一部です。
“皆様にはそのような失敗をして欲しくない。”という思いで弊社は遺言づくりのサポートをさせて頂いています。
★ご参考ページ
⇒ 「プロでも知らない遺言作成14のポイント」
をご覧ください。
Q8.遺言をつくる際の公証人役場に提出すべき資料を教えてください。
- ① 財産配分案
- ② 遺言者の戸籍や印鑑証明
- ③ 受遺者(もらう人)の戸籍や住民票
- ④ 不動産を明記する場合は固定資産税課税明細、又は名寄帳、登記簿謄本
- ⑤ 預貯金や株式の配分についても盛り込む場合はその額や配分割合
- ⑥ 遺言執行者の住所や氏名、生年月日
- ⑦ 証人(立会人)2名の職業、氏名、住所、生年月日
最後に、公証人には遺言もれ財産の有無、財産配分などについての指導義務は無いので、皆様が考えた独学遺言が単に「公正証書」になるだけです。
過信は禁物です。
詳しくはこちら↓
★ 「公正証書遺言の必要書類」
Q9.相続ステーションへ遺言作成のサポートをお願いした場合の流れについて教えてください。
A9.
相続税のことを意識した弊社ならではの遺言作成サポートは・・・
財産配分など遺言内容が決まるまで下記の点について、何度も打合せします。
◆流れの抜粋◆
(イ)一次相続(1次相続)や二次相続(2次相続)時の相続税を意識した遺産配分の検討
(ロ)「遺留分弁償方法の指定」や「特別受益の持戻免除の表示」について
(ハ) 万が一、受遺者が先死亡してしまった場合に備えた2次的な財産配分
(ニ) 貸金庫開鍵者の指定について
(ホ) 遺言執行者や執行補助者の指定について
(ヘ) 証人2名の決定(通常弊社から2名)
詳しくは、
★ 「遺言作成サポートの流れ」
をご覧ください。
Q10.相続ステーションに遺言作成サポートを頼んだ時の料金について教えてください。
A10.
弊社の遺言作成報酬は下記の料金表のように公正証書遺言と自筆遺言ともに同じですが、
相続税申告が必要な人と必要でない人は区別しております。
Q11.昔、父の遺産相続で私と母が、妹と対立しました。妹はひどく母をののしり、母もかなり傷つきました。母は、自分が亡くなった時に一切相続させたくないと言っております。公正証書遺言を書けば、母の遺産を一切妹に渡さなくても済みますか?
A11.
限りなく難しいでしょう。
妹さんには“遺留分”という権利がありますので、「相続させない」と遺言書に書かれていたとしても請求されれば支払うこととなるでしょう。
相続人から“廃除”すると遺言に書くことはできますが、認められる可能性は低いでしょう。
あと、廃除を認められたとしても、妹さんにお子様やお孫様がおられれば、“代襲相続人”となって、遺留分の請求をされる可能性があります。
Q12.遺言で「自分が作った会社に土地を遺贈する」と書いていた場合、どのような税金が発生しますか?
A12.
相続税はかかりませんが、特別な法人を除く、次の3つのデメリットが考えられます。
- ① 含み益のある財産を遺贈した場合、
亡くなった時に、時価で法人に譲渡したものとして、相続人が準確定申告で譲渡所得税を支払うことになります。 - ② 法人はタダで財産を“もらった”ものとして、時価相当の特別利益を計上(但し、お金は入ってこない)することとなりますので、
法人税が増えます。
法人税対策をとったとしても、キャッシュフローが悪化する可能性があります。 - ③ ①の税金の計算上、“取得費加算の特例”は使えません。
(会社に遺贈した財産に対して相続税はかからないので) - ④ 法人の株主は株価が上がった分、被相続人から遺贈を受けたものとして相続税の申告義務が発生します。
≪関連ページ≫
●遺贈の放棄
相続税申告・相続手続きの
サポート7つ
亡くなった方から相続や遺贈によって財産を取得した場合にかかる「相続税」。
その申告と納税は10ヶ月という限られた期間内で終える必要があります。
相続ステーションⓇでは、相続税申告累計3,000件超を超える実績と豊富な経験・ノウハウがございます。
相続専門の税理士がお客様に合ったサポートを提案しています。
相続税申告
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土地評価の実務
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(遺産整理・遺言執行)
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不動産相続、
農地・生産緑地承継、
不動産の売却
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その他の相続税
・相続の関連項目
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相続対策・生前対策の
サポート6つ
相続税や争族は、生前対策次第で、かなり軽減できます。
相続ステーションⓇでは、様々なメニューの中から、財産内容やご相続人の状況に合った最適なサポートを提案しています。