相続放棄の手続きをせず、「相続放棄」発言や過去の念書で安心していたケース
被相続人の財産・債務の一切を相続・承継しないときは生前中の遺産分割同意書や相続発生後に口頭や分割協議書で意思表示してるだけでは足りません。相続の一切にかかわりたくない場合は相続の開始を知った日から3ヶ月以内に、被相続人の住所地の家庭裁判所に【相続放棄の申述書】を提出しない限り、全ての相続手続きで実印押印・印鑑証明添付が必要になります。
ご相談者様の状況
夫に不幸がありました。相続税の基礎控除額は超えており申告義務があります。
相続人は妻である私と子の2人ですが、生前中より私がすべて相続するよう夫と子供との間で話がついていました。
放棄の手続きは夫が亡くなってから3ヶ月と聞きましたがどうしたら良いでしょうか。
相続ステーションの提案内容
弊社は31年間にわたり、延べ3,300件超の相続税申告に携わってきましたが、家庭裁判所で正式な相続放棄された案件はわずか1%程度です。
正式な放棄というのは相続手続きの流れにもあるように、放棄しようとする相続人が相続発生を知った日から3ヶ月以内に自らが亡くなった方の住所地の家庭裁判所に「相続放棄の申述書」を提出する必要があります。
つまりは、「何もいらない」と言ってくれている人が自らアクションをおこす必要があるのです。
しかも、その相続放棄の申述書は家族の代理提出はできず、亡くなった方の遺産についてまで記載する必要があるのです。
弊社が相続発生の連絡を頂いた際には、放棄の意思がある方に放棄の申述書の用紙の提供や書くべき内容、提出の仕方などをアシストするように心がけています。
いずれにしてもその様なご相談を承わるには遅くとも相続発生後1カ月程度までには、ご相談いただかないと間に合いません。
限定承認という選択肢
相続放棄は相続人ごとに意思決定し、放棄する人・放棄しないの両方が出てきますが、全相続人の意思を統一して提出する『限定承認』という手続きがあります。
簡単に言えば全員で「財産の範囲内でのみ借金などの債務も負い、良い財産が債務額を超えている場合は超えた部分は相続する」という方法です。放棄と異なるのは全員の意思統一が必要という点です。
『相続放棄』は「一切の債務を負わない代わりに一切の財産も相続しない」というものですので、財産が債務より多い可能性が高い場合は『限定承認』も検討されることをお勧めします。
『相続放棄』『限定承認』ともに被相続人の住所地の家庭裁判所に3ヶ月以内に申述書を提出する必要がありますが、財産・債務ともにボリュームがわからない場合は3ヶ月以内に「期限伸長の申出」という手続きができるので家庭裁判所に相談されれば良いでしょう。
他方『限定承認の申述』を全員で行なった場合には、被相続人の準確定申告を相続発生の4ヶ月以内に被相続人住所地の所轄税務署に提出する必要がでてきます。
意味は「被相続人の遺産を被相続人が死亡の瞬間に時価で相続人に売却し、所得申告も納税もできないので相続人全員で代わりに行う」ということです。つまり、被相続人の取得価格より時価が高くなっている不動産・株・金などの含み益に対して所得税が発生することになります。そして、その所得税は相続税申告で債務として控除できること以外は一般的な相続税申告と変わりません。それらの財産を相続した人は時価で被相続人から買ったことになるので、次に売却する際には所得税・住民税は安く済むというわけです。
≪関連ページ≫
●遺産相続をめぐって絶縁した兄弟との適切な対応は?
●相続放棄とは?メリット・デメリットや限定承認との違いも
●相続放棄の手続きと必要書類
●相続税の申告_作成から提出・手続の方法、10ヶ月の流れを解説
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亡くなった方から相続や遺贈によって財産を取得した場合にかかる「相続税」。
その申告と納税は10ヶ月という限られた期間内で終える必要があります。
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