相続税申告後の税務調査で少額の修正申告で済んだ事例
ご相談者様の状況・困っておられた点
他社税理士が、依頼人の亡父(以下「被相続人」という)の相続税申告につき、被相続人が過去約10年間にわたり行っている孫への贈与と、死亡前3年間の間に約2千万円の預金出金があるにも関わらず、死亡時点の被相続人の預金残高のみを集計して相続税申告を2年前に行っていた。
最近になって、相続税の税務調査があり、その時の担当税理士の対応に不満を持った依頼人が、ホームページにより弊社のことを知り、税務調査の立ち合いを当社にご依頼頂いた。
相続ステーションからの解決のご提案
税務署が把握している事実と見解をヒアリングしたところ、税務当局は下記①~③により孫名義の預金4千万円全額と、被相続人の配偶者名義の預金4千万円及び直前3年間の出金の大部分が遺産から漏れているとの疑いが強いとの見解を示した。(最大1億円)
①同居している孫(20代)に多額の預金がある為、贈与不成立のいわゆる「名義預金」として遺産性が疑われる事
②配偶者は専業主婦である事から、遺産性が疑われる事
③被相続人は当時既に足腰が悪い為、到底3年間で約2千万円費消したとは信じ難い事
上記つき、当社は次の見解を示した。
(1)上記①同居している孫(20代)に多額の預金がある為、遺産性が疑われる事 について
着金している孫名義の口座は、孫のアルバイト代の入金口座であり各自本人が管理しているものであることから、全て贈与成立済みの為「預金」としての申告漏れ遺産はゼロとした。
(2)上記②配偶者は専業主婦である事から、遺産性が疑われる事 について
配偶者の財産は過去の公的年金収入と、パート収入(源泉徴収票などはない)は過去25年間あった事、配偶者の実家からの遺産相続やその運用益などにより構成されており、申告漏れ部分はゼロとした。
(3)上記③被相続人は当時既に足腰が悪い為、到底3年間で約2千万円費消したとは信じ難い事 について
直前3年間の出金2千万円の使途は、生活費や夫婦二人の通院代、親戚などへの慶弔費、家のリフォーム代などであった。なお家のリフォーム代のうち価値増加部分について300万円の遺産計上とした。
最終、上記指摘 計1億円のうち97%は遺産性はなく、わずかな修正申告で決着できた。
解決後のご相談者の状況
①税務署指摘の疑いや問題点を地道に一つずつ解決でき、税務署にも疑いが晴れたので満足した。
②当初申告の税理士からは修正申告により約1,500万円程(加算税・延滞税含む)を追加で納税せざるをえないといわれていたが、わずかの追加納税額で済むようになり不安が解消された。
今回のことを教訓に、今後は当社と共に税務当局から誤解をされないよう、《否認されない贈与》のコツを細かく指導を受けて、将来の二次相続(2次相続)に係る相続税の節税とともにそのお客様には税務調査対策を行っている。
≪関連ページ≫
★税務調査対策
★AIによる相続税の税務調査で狙われやすい先と税理士意見の書面添付制度を活用した防御法
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